
麋鹿は中国の国家一級保護動物であり、長江の生態系を示す旗艦種の一つでもある。中国特有のシカ科の種であり、約200万年前から300万年前の更新世早期に起源する。青草や水草を主食とし、沼地や湿地環境を好み、かつては黄河や長江流域の温暖湿潤地帯に広く分布していた。
頭部と顔立ちが馬に似て細長く、角は鹿に似るが他のシカとはやや異なり、蹄は牛のように広く、尾はロバのように細く長いことから「四不象」とも呼ばれる。『封神演義』などの神話物語では「四不象」に神話的な色彩が付けられ、姜子牙の乗り物とされる伝承もある。
30年以上にわたり、石首麋鹿保護区では4500頭以上の麋鹿が確認されており、保護区内には2901頭、周辺の三合垸・楊波坦・洞庭湖などでは自然拡散により1600頭以上が分布。これらは両湖流域の2省9県市に広がり、世界最大の野生麋鹿種群を形成している。この成果はユネスコによって「絶滅危惧種保護分野における成功の模範」と評価され、湖北省の長江大保護の象徴となっている。